マーベロンとトリキュラーの違い・どちらが合うかは個人による

低用量ピルは、それぞれ世代や相性によって種類が異なります。このページでは、第3世代1相性のマーベロンと、第2世代3相性のトリキュラーの違いについて紹介します。マーベロンとトリキュラー、どちらが自分に合うかもチェックしてみましょう。
マーベロンとトリキュラーの違い
ピルにはさまざまな種類がありますが、含まれている黄体ホルモンの種類によって、第1世代、第2世代、第3世代という分け方がされます。マーベロンは「第3世代・1相性」のピルで、デソゲストレルという黄体ホルモンが使用されています。他のものと比べて、男性ホルモンの作用がもっとも少ないことが特徴です。
マーベロンは、ニキビの治療に効果的なピルです。服用から1か月もすれば効果が出ることが多いので、ニキビが気になる方にオススメな低用量ピルといえます。ファボワールというジェネリック医薬品もあります。服用のはじめに、むくみなどが見られることもあるため、気になる点が出た場合には、早めに医師に相談しましょう。
トリキュラーは、「第2世代・3相性」のピルで、日本では一番普及しているタイプのピルです。レボノルゲストレルという黄体ホルモンの作用で、子宮の内膜が安定するため、服用中の不正出血の頻度が、他の低用量ピルに比べて少ないという特徴があります。
マーベロンとトリキュラーの違いは、成分だけでなく飲み方にもあります。3相性であるトリキュラーは、自然のホルモンバランスにより近くなるように飲んでいくため、ホルモンバランスの状態に合わせて順番に飲んでいく必要があります。錠剤ごとに含まれているホルモンの量が異なることは覚えておきましょう。
1相性ピルであるマーベロンは、どの錠剤もすべて同じ成分量なので、どこから飲んでも同じ効果を得ることができます。避妊以外の効果としては、生理痛の軽減や、PMS(月経前症候群)の症状の緩和が挙げられます。男性ホルモンであるアンドロゲン活性をおさえる働きがあるため、ニキビや多毛症にも効果があるとされています。
月経の周期が安定して28日周期になりやすくなるほか、不妊症や生理痛の原因となる、子宮内膜症の予防にもなります。しかし、服用のうえで何か気になる症状がある場合は、自己判断ではなく、医師に相談して処方してもらうことをオススメします。持病があるなどで他の薬を服用している場合には、飲み合わせの問題もあるので、あらかじめ医師に伝えるようにしてください。
ピルの1相性と3相性の違いって?
低用量ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンからなる合剤です。卵胞ホルモンの量や、黄体ホルモンの種類にも、製剤により多少の違いがあります。低用量ピルは、1服用周期中に含まれるホルモンの配合量によって、「1相性」と「3相性」に分けることができます。
「1相性」は、1服用周期中の成分の配合量がすべてが同じものを指し、日本で認可されている低用量ピルの中では、マーベロンとオーソMがこれにあたります。また、中高用量ピルは全て「1相性」で、海外で近年販売されている超低用量ピルも「1相性」です。月経調整がしやすく、飲み間違いがないのが特徴です。
「1相性」のメリットは、すべての錠剤のホルモン量が一定のため、飲む順番などを気にする必要がなく、服用しやすい点です。生理日の調整に便利なことから、ヘビーユーザーの中でも人気の高い種類となっています。
「3相性」は、段階型ピルと呼ばれるものです。ホルモンバランスにより近くなるように、ホルモン成分が段階ごとに変化していくことが特徴です。日本で認可されている「3相性」は、トリキュラーのほか、リビアンやアンジュなどがあります。決められた順序に従って飲まなければならないため、シートや錠剤の色を変えるなどの工夫がされているのが特徴です。
「3相性」は、女性の自然なホルモンの変化に合わせて、女性ホルモンの量が3段階に変化します。体の変化に合わせて服用するため、女性の体にやさしいピルとしての評価を得ている低用量ピルです。どちらの場合にも、次のシートのスタートが遅れると効果がなくなってしまうことがありますので、注意しましょう。1日の中で忘れない時間を自分で決めておくと続けやすくなります。
一般的に「3相性」は、日によってホルモンの含有量が異なるため、吐き気や不正出血が起こる頻度が少なく済みます。ピルの世代による違いは、アンドロゲン作用が少ないため、子宮内膜症の治療や美肌に効果的とされています。しかし、血栓症のリスクが第2世代と比べて約2倍になるともされているため、相性だけではなく、世代に注目することも大切です。
マーベロンとトリキュラー・それぞれオススメな人は?
「3相性」のピルは、ホルモン量を少しでも減らす目的で作られているため、自然のホルモンバランスの推移に近く、不正出血を起こしにくいという特徴があります。一方、「1相性」のピルは、旅行のために月経を移動させるなどの飲み方も可能で、月経前症候群の症状が軽減しやすいという報告もあります。
そのため、避妊以外にも月経前症候群の症状を緩和したいなどの目的があるなら「1相性」のピルを、より自然の形に近い状態にしたいのなら「3相性」のピルを選ぶとよいでしょう。ホルモンバランスに合わせて錠剤を選択するのが難しいと感じる場合には、ホルモン配合量が一定な「1相性」のピルの方が取り扱いやすくなっていますので、参考にしてみてください。どちらの場合にも、副作用に気を付けて服用することが大事です。
低用量ピルは、体質によって嘔気や嘔吐、頭痛・乳房の張り・不正出血などの副作用が出ることがあります。軽度なら3周期目までに慣れるといわれていますが、気になる場合には早めにかかりつけの医師に相談しましょう。合併症としては、脳梗塞や心筋梗塞などが挙げられており、喫煙者の場合はそのリスクが倍増するので、タバコはやめましょう。
ピルの処方は、保険適応外の自費診療となります。マーベロンとトリキュラーの値段はクリニックにもよりますが、1か月分は税別2,500円程度を想定しておくとよいでしょう。値段の差はないので、体質に合っていれば好みで選ぶことができます。初めての場合には、子宮がん検診・超音波検査、血液検査等の婦人科チェックのほか、カウンセリング料がかかることがあるので、あらかじめホームページなどで確認してから診察を受けましょう。
好みで選んだ場合でも、副作用が出た場合には、別のピルの処方を勧められることがあります。気になる点があった場合は、医師に相談すると安心して利用できます。
ピルは、避妊以外にも、生理痛や生理不順、過多月経やPMS・ニキビなどの悩みの解決ができる場合もあります。体質に合わせてピルを選ぶことで、より健康で美しくなれるので、自分の症状を伝えて医師に選んでもらうのもよいでしょう。